noa先生による季節のコラム(2026.08.03)
皆様こんにちは!なんば本店
日曜日担当の
noaです。
もう夏ですね。食べ物が傷みやすいので何でも冷蔵庫に入れておきたい季節です。今wordで原稿書いているのですが、傷みやすいと書こうとして打ち間違えて伊丹康夫と書いてしまって一人で笑っています。夏は食べ物が伊丹康夫。
今は伊丹康夫よりも
チャセゲです。
伊丹康夫よりも世界は今チャセゲです。わたしが今一日で最も多く口に出している単語かもしれません。チャセゲ。チャセゲチャセゲ言ってますが、チャセゲとは誰かというと、『素晴らしき新世界』という韓国ドラマに出てくる相手役の名前です。わたしが今珍しく夢中になっているドラマで(過去2回でストレンジャーシングスとペントハウスの話熱く語っていた人)、今日1話だけチャセゲ見るか土曜日の夜にまとめて見るかと毎晩自分の心と戦っています。ちなみにこの原稿を書いている前日は1話だけチャセゲ見ました。
普段からわたしは韓国ドラマをよく見ているのですが、ジャンルは毎回サスペンスかスリラーかミステリーです。サスペンスやスリラーやミステリーは今何が起きているのか、今から何が起きるのかが全く分かりません。視聴者目線で全く予想のつかないところに強く魅力を感じます。どうしてこんな事態になっているのか、毎回細かいヒントや伏線に注意して誰が犯人なのか予想しながら観ています。むしろ恋愛ドラマはほとんど見ません。キービジュアル見たら誰と誰が付き合うのかだいたいわかって結末が予想できるからです。しかしわたしはチャセゲを見て学びました。
恋愛ドラマは結末やない、過程なんやと。キービジュアルで結末はわかるけれども、そこに至るまでのすれ違いや接近を楽しむのが醍醐味なんですね。恋愛ドラマにハマる気持ちがわかった気がします。
チャセゲの何がいいかというと、当て馬がいません。少女漫画とかでも当て馬が恋に破れる姿を見るとつらすぎて元気を失うのですが、チャセゲにはそれがありません。そして恋愛ドラマと思えないくらいチャセゲはギャグが本気です。あと恋愛ドラマでよく聞く感想でめっちゃ泣いたとよく聞きますが、わたしもしっかり泣きました。ネタバレになるのでどことは言いませんが、おばあちゃんのシーンでめちゃくちゃ泣きました。
正直チャセゲがあまりにも面白すぎて、あとまだ4話あるのに早くもチャセゲロスの予感がしています。
NetflixとU-NEXTを血眼で探して面白そうな韓国の恋愛ドラマを探していますが、全てがチャセゲというわけにはいきませんね。
(※チャセゲはドラマのタイトルではありません。)
このドラマの中のテーマの一つに「時間を超える・思い出す」があります。
この素晴らしき作品をこれからご覧になる皆様にネタバレしない程度でどういう作品かを話すと、400年前から現代にタイムスリップしてきた主人公ソリと冷徹な財閥御曹司チャセゲのロマンス生存劇です。曲者と曲者がぶつかり合ううちになぜか愛が芽生えるラブコメディなのですが、愛が芽生える過程に、「記憶」が絡んできます。だいぶぼやかして説明しますが、ソリは「思い出す」ことで、チャセゲは「なぜかはわからないが知っている気がする」というところから2人は互いのことが気になっていきます。ソリとチャセゲがそれに気付くまでは、「ソリ!!!あの人やって!!!」「チャセゲ!!!今自分が見た夢に誰が出てきたかをもっと探れ!!!」ともどかしい気持ちで見ていました(しっかり恋愛ドラマの醍醐味を経験しているnoa)。記憶がつながったときには「そう!!そうです!!!」という思いでした。
すごくどうでもいい話ですが、この
「そう!!!そうです!!!」には元ネタがあります。わたしは扁桃腺が大きく(本当にどうでもいい情報)、すぐ喉が痛くなったので、よく耳鼻咽喉科(以下 耳鼻科)にお世話になっていました。かかりつけのおじいちゃん先生に鼻と喉を消毒してもらって、最後はネブライザーで薬を鼻から吸入して、隣の薬局でお薬を処方してもらっていました。お薬できるまでの間、薬局の椅子に座ってよく家庭画報を読んでいました。ほぼすべての薬局に置いてある雑誌です。表紙はだいたい色とりどりの大きな花です。
その耳鼻科のおじいちゃん先生は本当に優しくて、noaがちょっと喉が痛いというと必ず鼻と喉に消毒を塗ってくださいました。耳鼻科のリクライニングチェアに座って椅子がだんだんと下がっていくと、先生から「はい、じゃあ口開けてくださいね(⌒∇⌒)」と優しく声がかかるので、それに合わせて口を開こうとすると、おじいちゃん先生はライトと器具をわたしの喉に向けながら、「
Ah~~~~~~~~~~~~~~♪」と美しいテノールで歌い出します。
どうしていいかわからず、わたしは毎回とりあえず口を開け続けました。これは
先生の美声に酔いしれる時間かなと思ったからです。患者が耳鼻科を嫌にならないように途中でミニコンサート開いてくれる先生の思いやりなのかなと、ただただ黙って口を思いきり開け続けました。わたしが耳鼻科でお世話になるたびに先生は必ず、「Ah~~~~~~~~~~~~~~♪」と教会音楽の聖歌隊のごときのびやかな声で歌いながら喉を診て、「ああちょっと喉赤いねえ」と薬を塗ってくださいました。すぐ喉が痛くなって何度も耳鼻科にお世話になっていたので、先生の天上の歌声を聴くことは多かったのですが、ある日突然気付きました。
その日も耳鼻科で先生の「Ah~~~~~~~~~~~~~~?」が歌われはじめた瞬間、もしかして先生はわたしにも歌ってほしいんじゃないか…?と突然思い、「A…Ah~~~~~?」と声を出してみたところ、先生の口から出た言葉が「そう!!そうです!!!」でした。そのときになって気付きました。
先生は自分の歌を聴かせたかったのではなく、一緒に歌いたかったのだと。その回からわたしは耳鼻科のリクライニングチェアに座ったら、ただ先生の美声を観客として聞くのではなく、共にハーモニーを奏でるようにしました。今その耳鼻科は先生のご勇退でなくなってしまい、わたしは気軽に風邪をひけなくなってしまいましたが、おじいちゃん先生と作り上げたメロディーは今もわたしの楽しかった思い出です。
ソリとチャセゲそれぞれの記憶がつながったとき、耳鼻科のおじいちゃん先生のあのときの気持ちが理解できました。
そう!!!そうです!!!
わたしたちにはたくさんの思い出があります。いい思い出、嬉しかった思い出、楽しかった思い出。それだけでなく、嫌な思い出、悲しかった思い出、悔しかった思い出。様々な記憶があって、それが今のわたしたちを作っている礎にもなっています。もう一つわたしの楽しかった思い出を話すと、小さい頃、母がよく出かけていた場所の近くにとあるショッピング施設がありました。お世辞にもおしゃれな場所とは言えませんでしたが、母は必ずパン屋さんかスターバックスに寄って、わたしのおやつを買ってくれました。noaちゃん何食べたい?と選ばせてくれたので、わたしは毎回パン屋さんではウインナーパンを、スターバックスではチョコレートチャンクスコーンを選んでいました。すごく特別なおやつを与えられた気持ちになぜかなっていましたし、土曜の午前に母がウインナーパンやチョコレートチャンクスコーンを買って食べさせてくれた思い出はいつまでもキラキラした思い出として残っています。母にこの話をしてもそんな大したことじゃなかったのにと言われますが、今でもそのショッピング施設に行くとあの土曜の午前のことを思い出しますし、わたしは今でも、どこのパン屋さんに行ってもだいたいウインナーパンを選び、チョコレート自体そんなに好きじゃないのにスターバックスで何か食べるときはチョコレートチャンクスコーンを選びます。フォレストランプの前にあるスターバックスでもたまにチョコレートチャンクスコーンを買って食べています。母との子供の頃の思い出が今もわたしの中に生きているのでしょうね。きっとこれからもウインナーパンとチョコレートチャンクスコーンはわたしにとって少し特別な食べ物だと思います。
楽しかった思い出や嬉しかった思い出しか経験せず、悲しかった思い出や悔しかった思い出は一切ないという人はおそらく一人もいないと思います。そして、得てして人を成長させるのは後者でもあります。頑張ったのに上手くいかなかった、報われなかった、届かなかったという思いは心の中の暗い引き出しに収納されて、本人の心を暗くしてしまいます。素晴らしき新世界本編でも同じで、ソリは400年前の悲しかった思い出や悔しかった思い出を持ったまま現代にタイムスリップしてきているので、本編で過去に引っ張られて暗くなったり涙を流している瞬間も何度か出てきます。ただソリのすごいところは、その暗い思い出に意味を持たせて気持ちの整理をつけるというよりは、まだ終わっていないからと時空を超えてその思い出の結末を書き換えようとするところです。400年前の悲劇をそのままで終わらせず、ソリはもう一度立ち向かって自分の手でハッピーエンドに変えようと奮闘します。
そう、まだ終わっていないのです。このドラマを観て、悲しい思い出や悔しい思い出は途中に過ぎないと思えるようになりました。もちろんその渦中にいるときはそう思えませんし、終わっていないで片づけられない悲しみや後悔も人生にはたくさんあります。むしろ本来わたしは引きずって大袈裟に落ち込むタイプ(笑)なので、暗い思い出がもたらす精神的なダメージの重さはよくわかっているつもりです。
わたしにも悲しかったり悔しかった思い出はいくつかあります。まあ別にそんな深刻な悲しみはないのですが、ここで紹介できるものだけ挙げると、学生時代は周囲に馴染めず、正義感の強い性格も相まって嫌われてほとんど一人でしたし(とはいえソロ活動楽しんでました 昼休みは一人で校内散歩とかしてその辺に生えてる木とか見てました へえ○○っていう植物なんや~と説明ラベル読んで四季折々の自然を楽しんでいました)、それよりはるかにつらかったのは、勉強や仕事で自分の力が届かなかったことでした。不合格や不採用という結果に何度も涙を飲んできました。周りはこんなに成功して楽しそうに笑えているのに、いつまで経ってもわたしは何もできない何の結果も出せないという思いが募って、性格の根暗化が進み、陽キャしかいない家族の中で唯一ド陰キャになっていきました。でも、今はその暗い思い出はわたしの中で全く違う意味を持っています。勉強や仕事で悔しかったことで、絶対できるようになりたいと負けん気を燃やした結果、何かを絶対に達成する粘り強さが身につき、色んな分野を学ぶ機会を得ましたし、自分の大好きな分野に出会うことができました。今お客様にお出しさせていただいている占いも、わたしの
過去の挫折を乗り越えた先の世界にあったものです。占いに語学にその他諸々、毎日それなりに勉強したり学んだりするネタが尽きず、楽しい日々を送っています。これもある意味では、悔しかった思い出の結末を変えられた結果なんだと思います。
そしてもうひとつ。学生時代2人組作るときにあぶれて先生が憐れみでペア組んでくれてた過去のわたしからは考えられないほど、色んな方によくしていただいています。人の優しさに毎回感動しますし、グループなどに入れていただいたら、なぜか未だに「いいんですか大丈夫ですか!?」という気持ちすら芽生えています。また、学生時代友達がいなくてソロ活動に専念した結果、なぜかそれが後のわたしのユーモアの種となったのか、現在このコラムを楽しんで読んでいると色んな方から嬉しいお言葉をいただいています。
わたしの暗い思い出は決して終わったものではなくて、
まだ途中だったのです。きっとそれはわたしだけではなくて、たくさんの方にとっても言えることだと思います。まだ何も終わっていないのです。
あともうひとつのテーマ。思い出すということの意義深さもこのドラマは教えてくれます。
ソリもチャセゲも、「思い出す」ことでお互いへの思いが深まっていきます。
最近思ったことなのですが、日常生活の中で人は
自分が誰だったか忘れてしまいがちです。こんなことが得意でこんな経歴があって…と輝かしい宝物やダイヤの原石があったとしても、それを活かしきれず生活のために他のことをせざるを得なくなると、自分という煌めきを人はどんどん忘れていってしまいます。目標や志よりも今楽しいことや体裁に流されている周りの人たちを見ていると、そして特に閉鎖された世界の中にいると、自分はもう結局このレベルなんじゃないか、なりたかった自分にはなれないんじゃないかとすら思えてしまいます。だからこそ、思い出すことが必要なんだと思います。
そうだ、わたしはこれもできた、あれもできた、こんなに緻密に努力してきたんだった…と、まだ公に出ていない自分だけの財産に心を動かされます。そして、ある種の自信めいたものが静かに芽生えてくるはずです。わたしにはこんなにも大きな財産があるのだから、ここで終わらないと。
お客様の相談の中でも、昔これをやっていたけど途中で終わってしまって今はもう…というお悩みをたびたび耳にします。この場を借りて、わたしは声を大にして伝えたいです。
あなたの財産は決して終わったのではありません。今はまだ途中なだけで、またいつでも始められますし、前にやっていた貯金もあるなら、前よりもずっと上手にできるはずです。むしろ、以前やっていたそのことを思い出して切なくなるそのお気持ちを大切にしてください。その思いは、自分の好きだったことや得意だったことを本当の意味で輝かせられる時が来たという
大きなヒントです。どうか自分が誰だったのかを忘れないでください。あの時よりも今の方がずっと上手にできるはずです。
これは半分、自分に向けても言っています。わたしにも、まだ結末を書き終われていない、今はまだ悔しい思い出があと一つだけあります。今、その悔しい思い出を、最後はたどり着けた思い出に変えるために、自分なりのやり方で出来ることから始めています。
わたしの頭の中に収納される記憶を、嬉しい思い出と楽しい思い出、そして、しんどかったけれど乗り越えられた思い出でいっぱいにするために、自分を幸せにするために、これからも頑張ります。
さて、今から楽しい楽しい夏がはじまりますね。今年の夏が皆様にとって、楽しいこと嬉しいことがたくさん起こる思い出深い季節となりますように。そして、この夏のエネルギーが、過去の暗い思い出に太陽の光を隅々まで照らし、思い出の結末を変える力を与えてくれますように。
最後に、安全でおいしい夏の思い出を作るために、水分の多い食べ物は必ず冷蔵庫に保管なさってくださいね。
なぜなら夏は食べ物が
伊 丹 康 夫
なので!
ここまで読んでくださってありがとうございました。
それでは日曜日、お待ちいたしております。

noa(のあ)先生
なんばウォーク本店 日曜日担当
主な占術:タロット・ルノルマン・西洋占星術・算命学など
noa先生のプロフィール